認知症予防の現状
認知症高齢者の将来推計
(厚生労働省 高齢者介護研究会「2015年の高齢者介護より)
認知症の治療の現状と課題
高齢者社会を迎えて増加の一途をたどる認知症・アルツハイマー病が大きな社会問題になっています。認知症の治療関係者の間では、アルツハイマー病の予備軍である「軽度認知障害者」のうちに見つけようという動きも起きています。
しかし、見つけても、現段階で進行を止める有効な手段はありません。さらに、現在認知症の予防方法は確立されておらず、医療機関では認知症患者さんに対して「アリセプト」という治療薬が投与されています。しかしながらこの薬は進行を遅らせることはできるが、投薬をやめるとただちに進行状態が早まるため、根本的な治療への解決とはなっていないのが現状です。
欧米ではいちょう葉エキスを認知症予防効果があるとして製造販売されているが、日本では健康食品として輸入されています。
罹患率が高い疾病であるにも関わらず、有効な薬が少ないのが問題点です。しかも最も大切である予防方法が確立されておらず、人々は一定の年齢になると、自分がいつ認知症になるかもしれない、という不安を感じます。いちょう葉等の健康食品もその有効性等は明確ではなく、確実に認知症を予防できるという段階に至っていないのが現状です。
平成9年以降、健康保険法の改正に伴い、被用者保険人の医療費自己負担が、最終的に3割に増えました。老人医療費も1割負担(高所得者は2割負担)となったため、多くの患者が受信を手控えるようになりました。
今、統合医療の考え方が普及しつつあり、非薬物治療によるケアを、認知症患者の治療に使う補完代替医療が注目されるようになってきています。